スーパースターも人間だった!?

2007/09/20
巨人の長嶋茂雄名誉監督の奥様亜希子さんが亡くなられたニュースと長男の一茂さんのインタビューをテレビで見ました。

まだ若くていらっしゃるのに・・・・

スーパースターとその妻。光がまぶしいくらいに輝いている場所には、知られざる影もあったことでしょう。奥さんが亡くなったニュースを聞いて、以前読んだ本をめくってみました。

Gファイル.jpg
「Gファイル―長嶋茂雄と黒衣の参謀」 武田頼政 文芸春秋より

少し長いですが、上記の本から引用します。
248ページ
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私はもう何十年も長嶋に連れ添ってきましたが、結局、あの人の心のなかには入ることができませんでした。そのせいか監督になったときはストレスから私も病気になりました。
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「あの長嶋さん」・・・そう世間が思っているから、なおさら奥様は大変だったんではないでしょうかね。

さらに、ときは、1997年。

長嶋巨人軍は前年の優勝から一転、成績振るわずBクラスに低迷。シーズン途中から読売巨人軍首脳の間では、その責任論についての議論が浮上。

しかし、読売首脳は、1980年の長嶋監督解任による読売新聞の大幅な発行部数減の経験から、長嶋監督は解任せず、留任させ、その代わり、長嶋監督を支えていたスタッフの解任と迫った・・・

自らの留任か。それとも一心同体で自分を支えてくれたスタッフと心中して辞任か。

長嶋家の家族会議では、これまで長嶋を支えてきたスタッフが解任されるのなら、問答無用でユニホームを脱ぐべきだ、という結論だったそうです。

そして、長嶋監督の決断は・・・・・

留任だった・・・・

そう、スタッフの解任を受け入れ、自らの留任を選択した。黒衣の参謀で長嶋を陰で支えてきたスタッフの河田弘道氏は、そんな決断をした長嶋監督と対面する。 

 427ページ
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「監督とわたくしが一心同体で戦ってきたことをお認めになっていただけるんですね」 「もちろん、当然ですよ!」
「ではそのお言葉に甘えて二、三うかがわせていただきます。監督、あの9月18日に渡邉社長から実権をすべて奪われ、目の前で堀内をヘッドコーチにさせられるような屈辱を味わされて、それでもなおユニフォームを着つづけようという気になぜなられたんですか」 「北海道から沖縄まで日本全国の長嶋ファンは、私のユニフォーム姿をずっと見つづけていたいんですよ、河田さんわかってくださいよ」

それは御自分の勝手でしょと河田が口にしかかったところで、長嶋がしぼりだすように言葉をつないだ。

「ぼくは読売ジャイアンツにいたいのですよ」

河田には聞きたくもない言葉だった。

「わたくしはこれまで長嶋家の家族個々の問題にまで関わらせていただきましたが、一茂の引退のときも、なぜわたくしはあそこまで立ちいらなければならなかったのでしょうか。長嶋茂雄は野球人としてではなく、ひとりの人間として何を一番大切にされておられるんですか。是非ともわたくしに教えていただけませんか」

長嶋は力をこめてこう答えた。

「ぼくは、家族のことなんて考えたことはなかった。野球がすべてです。そうでなければぼくはこの世界でここまでやってこられませんでしたから」

「じゃあ、どうして監督は結婚なさったんですか。一茂はずっと父親を必要としていましたよ。お母さんじゃないんです。本当に欲しがっているのはお父さんだったんですよ。大変僭越ですけど、わたくしこの際、申しあげさせてもらいます。監督、「家族」というチームをまとめられない人が、読売巨人軍というチームを指揮官としてどうやってまとめていけますか」

(省略)

「いいですか監督、このようにご長男も奥さんも、たぶんおうちで家族みんな心配して待っているんですよ。なぜならあなたが大事なことを家に帰って話さないからです。いつまで長嶋茂雄を演じつづけるおつもりなんですか、身体が動けなくなったらいったいどこに お帰りになるんですか。家庭しかないんじゃないんですか」


 426ページ
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9月18日の「全面降伏」ともいうべき渡邉・長嶋会談のあと、河田は亜希子にこう言われていた。

「残念ですが、これがあの人なんです。渡邉さんの話を受け入れれば河田さんを失うことになるのがわかっていても、それでも自分のことを優先してしまうんです。」
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Gファイル―長嶋茂雄と黒衣の参謀

スーパースターは、またその家族が、大変なポジションなんですね。その辺でチョロチョロ生きているストロングが幸せなのかもしれません。

でも、これを読んでストロングは「長嶋監督も同じ人間なんだなあ」ととても微笑ましく思いました。スーパースターも人間。その家族も人間。起こっている問題や悩みは、そうは変わらないんだ!と。

奥様、あちらでは、マスコミいないでしょうし、どうぞどうぞゆっくりとお休みくださいませ。

ご苦労様でした。合掌。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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