「なぜ小学校でクラス一バカのおまえがいるんだ!?」

2010年6月30日です。こんにちは、ストロング宮迫です。

残念でしたね、サッカー。

それにしても、この前も書いたけど、今回の対パラグアイ戦の番組平均視聴率(速報値)が、
 
関東地区 57・3%
関西地区 54・1%

すごいですね・・・

タイガー山中なんかは、「今日日本がやるんだ。ふ?ん」っていう対応で、試合があることすら知らなかったですからねえ。こういう人間と一緒にいると、「知らない」ことは決して恥ずかしくない!と思えるんだなあ。

そのサッカーの岡田監督、大会が始まる前はボロクソ言われていましたが、今じゃあ「名将」とか新聞に書いてありました。

怖いですねえ、世の中は。

岡田監督のエピソードでこういうのがありました。

2010.6.30  サンスポ


中3の時、西ドイツのサッカーが最先端と聞くや、メガネ姿のヒョロッとした岡田少年は「ドイツでプロになる」と両親を困らせ、父親の知人だった産経新聞記者(当時)の賀川浩氏に説得された経験がある。「無謀な夢だったけど、当時は真剣に思っていた」。

いかがでしょうか? 

イイ話ですねえ。

行けるかどうか、なれるかどうかじゃ、ないですもん。

大人からすれば無謀と思える

「ドイツでプロになる」

やっぱりそれがあるというのは素晴らしいことだと思うのです。

そう思えるのは、過剰なくらいの「自信」があるからじゃないでしょうか?

ボクらが「ノリノリ」という言葉を使うのも、ここなんですよね。

「イケる!」「やれる!」「大丈夫!」「やってやる!」

しょぼくれていたんじゃ、そういう気にもなれませんから。

でも、過剰な自信で無謀な挑戦をすれば、イタイ目にも会うんです。

すごい奴が目の前に現れてコテンパンにやられたり・・・

これがまたいいんですよねえ。

イタイ目に会って、「等身大の自分」を把握していくわけですから。

しかし、子供によっては、自信があって「ドイツでプロになる」というような形だけで子供の思いや行動が出てくるとは限りません。

「素数ゼミ」って知っていますよね?

13年あるいは17年おきに何億匹も大量発生する、アメリカの不思議なセミです。

最近では国語の文章題にも数多く取り上げられていたりもするので親よりは子供のほうがよく知っているからもしれません。

その素数セミの奇妙な謎を初めて解いた日本人の科学者が吉村仁先生。

「素数ゼミの謎」吉村仁著 

子供でも十分読めるように書かれた本なので、まだ読んでいない方、興味がある方はぜひ。

その「素数セミの謎」を書いた吉村先生の本で「強い者は生き残れない」という本があります。
 
「強い者は生き残れない 環境から考える新しい進化論」
  

この本の内容については、またどこかで紹介したいくらいおもしろい本なんですが、今日はこの本の「あとがき」を紹介します。

長いけど、皆さんにとっても大いに示唆の富む文章だと思いますので、お付き合いください。

吉村先生が自らの小学校時代について書いている部分です。


実は、世田谷区下北沢にある世田谷区立東大原小学校に入学するとき、学校からしきりに特殊学級への進学を勧められたと、後で聞いた。

IQテスト(知能テスト)の結果が、かなり低かったのだ。成績は、学年でいつもビリだった。

おまけに、1年の夏に交通事故で片足を骨折して、半年間入院した。

T字交差点から飛び出して、オート三輪に轢かれたのだ。撥ね飛ばされて、後輪の20センチのところに落ちたので、車が急ブレーキで止まらなければ、この本を書くこともなかっただろう。

担任の先生が病院まで訪ねてくれ、出席日数も満たしてくれて進級した。その時の成績は、小学校時代最高の平均「2」(5段階評価)というすばらしい通知表をもらった。

2年生になったら、算数が唯一「5」になったが、あとはほぼ「2」以下であった。

2年の終わりの通知表の通信欄に、

「やっと、みんなと一緒に授業を聞くようになりましたね」

と書かれていた。

発育が遅く、幼すぎて集団行動ができず、幼稚園児以下のように気の向くままに行動していたらしい。

この頃は、クラスでもっともバカと見られていた。

こんなエピソードがある。

小学校1年・2年のときにクラスの級長をしていた優等生の子がいた。

彼は、その後私と同じ中学に進んだが、小学校3年以降ついに同じクラスにはならなかった。

どころが、後に私が東京都立新宿高校に進学し、初登校の日に教室で彼と出会ったのだ。

彼の驚きようは一様ではなかった。

「じんべいが、なぜ、ここにいるんだ?」

「じんべい」とは私のあだ名である。

「ここは、優等生が来る学区内でもトップクラスの進学校だ。なぜ、小学校でクラス一バカのおまえがいるんだ!」

失礼な話であると言いたいが、彼の驚きはよくわかる。

中学校ではクラスで2.3番以内(学年で10番くらい)でないと入れない高校なのだ。

彼にしてみれば、意気揚々と教室に入ってみたら、なんと小学校で全学一のバカがいたのだから。

こんなにできなかったから、「学者になれない」という可能性を考えることさえできなかった。

だから、今の学生たちが、自分の能力を測って、自分のしたいことを諦めてしまうのを見ると歯がゆくてしかたがない。努力する前に、自分をサイジング(能力を予想・過小評価)しているのだ。

研究でも他の職業でも、

「自分で基本(一)から考えること」

が、最大の能力である。

学校の成績はその時あまり役立たないのだ。今まで、ノーベル賞物理学者を含む多くの著名な科学者に会って来たが、彼らが一様に持つ特徴は、その好奇心の強さである。それが考える源泉なのだ。


考えさせられる話ですよね。

子供には、過剰な自信からの「なる!」もあれば、「なれない」と考えることができない「なる!」もあるってことですよね。

吉村先生は、

「今の学生たちが、自分の能力を測って、自分のしたいことを諦めてしまう」

ことを歯がゆがっていらしゃいますが、その前に親が自分の経験や勝手なものさしで

子供の可能性を奪っていないか?
子供の可能性を見損なっていないか?

どうでしょうか?

もっとスバっと言えば、


合格「だけ」を目指すことで子供が「自分で基本(一)から考える」機会を奪っていないか?

とまで、より深く考えていく必要もあるんじゃないでしょうか?

忙しいなんてばかり言っていられません。

目の前に「原石」があるのだから!

 
「素数ゼミの謎」吉村仁著 

「強い者は生き残れない 環境から考える新しい進化論」吉村仁著 

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